私は日本酒が好きで、温めたお酒を食事と一緒に楽しむことが多いです。最初の頃は、電子レンジ対応の耐熱おちょこを使って手軽に温めていたのですが、ときおり、ピリッとした刺激や苦み、雑味のようなものが気になることがありました。うまく言葉にできないのですが「今日はなんだか美味しくない」と感じることがありました。
もっと美味しく飲む方法がないかと調べてみたところ、日本酒を温めるときは電子レンジよりも湯せんが良いという情報を多く目にしました。なるほどと思い、実際に湯せんにも挑戦してみたのですが、当時使っていたとっくりではなかなか温まらず、ちょうど良い温度になるまでに時間がかかったり、思ったように温度があがらず、途中で鍋のお湯を再加熱したりすることも。できればもっと手早く、最初の一杯を楽しみたいと思っていました。
そこで見つけたのが「能作のちろり」です。熱伝導率の高い錫(すず)製の酒器で、実際に使ってみると、陶器のとっくりと比べ、本当にすぐに温まります。注ぎやすくて、味の印象もやわらかくなるように感じられました。
この記事では、私がこの「能作のちろり」を使って、どのように日々熱燗を楽しんでいるか、そしてそのために使っている道具とちょっとした工夫についてご紹介します。温めた日本酒を飲むとゆったりとした気分になります。特に冬場は温かい料理が多いので、温かいお酒が一体感があって好きです。「もっと手軽に、でもちゃんと美味しい熱燗を楽しみたい」という方の参考になれば嬉しいです。
能作 ちろり S
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能作 ちろり S
錫の器に入れた水は腐らない、お酒がまろやかになると言われ、古くから酒器や茶器などに使われていました。能作の錫は、純度100%です。
能作 ちろり S。錫 100% で作られた贅沢な酒器です。
- すぐにお酒が温まる
- しっかりとした重量があり、水を張った鍋の中でも浮かずに安定する
- およそ 1 合のサイズが、普段飲みにちょうど良い
- 見た目がきれいで、お酒が上品な印象に
- 錫の効果で、お酒が美味しくなったように思える
そして、注ぎ口に職人のこだわりが感じられます。
- 小さなおちょこにも注ぎやすく、量の調節もしやすい
- 注いだあとにお酒がたれにくく、テーブルが濡れることもほとんどありません
使ったあとのお手入れも簡単です。
- 本体はもちろん、持ち手の籐(とう)が巻かれている部分も水洗い可能
- 籐は水に濡れてもすぐ乾き、1 年ほど日常的に使っていますが、カビが生えることはありませんでした
ただし、使い込んでいくうちに籐が巻かれている部分は徐々に劣化してきます。ほつれたり、削れたりしてきました。現時点では交換部品の販売はないようですが、長く使いたくなる一品なので、交換対応があるとさらに嬉しいですね。持ちての金属がむき出しになるほどまでに劣化したら、カスタマーサポートに相談してみようと思っています。
日本計量器工業 酒かん計
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日本計量器工業 調理用温度計 酒かん計
昔ながらのデザインの水銀温度計。ちろりに引っ掛けられるフックつき。丸洗い可。
お酒ごとに、おすすめの温度があります。せっかく良い酒器を使っているのだがら、温度にもこだわりたい。そこで使っているのが、日本計量器工業の酒かん計。昔ながらの水銀式温度計で、使いやすいです。
- アナログ式なので温度の上がり方の予想が立てやすい
- 飲みごろの温度帯にメモリ表示があるので、わかりやすい
- ちろりにひっかけられるフック付き
- 温度計の部分は金属で守られていて、容器に直接当たらないので、容器の温度を間違って測ってしまうことがない
- 使用後は水洗いOK
野田琺瑯(ほうろう) ミルクパン 12cm
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野田琺瑯 ミルクパン 12cm
デザインがよく、軽くて使いやすい小鍋。
熱燗用の鍋は、自宅にあるものなら何でもいいですが、ある程度の深さがあって小回りがきく鍋がいいです。私は野田琺瑯のミルクバンを使っています。IH には非対応のようなので注意。
この鍋に 3/4 ほど水を入れて火にかけると、およそ 4 分で沸騰します。沸騰したらガスの火を止め、ちろりの 8 分目付近までお酒を入れて、お湯に沈めると、2 分ほどで 50℃ の熱燗ができます。
お酒の温度を維持する工夫
ここで、お酒の温度を維持する方法についての工夫をご紹介。
お湯からちろりを上げると、お酒は冷めていきます。一度温めたお酒が少しずつ冷めていく過程を楽しむのもまた一興ですが、私はなるべく温度を維持したいので、ちろりをお湯につけたままにしておいて、注ぐときだけお湯から取り出します。
ただし、お湯につけっぱなしにしておくと温度が上がりすぎることもあるため、水量の調整がポイントになります。
- 3/4の水量で沸騰:ちろりをつけ続けると 55℃ 以上になります。早くお酒が温まりますが、途中でちろりをお湯から出す必要があります。
- 1/2の水量で沸騰:ちろりをつけ続けてもおよそ 50℃ で温度の上昇が止まります。
お酒のタイプや気分に合わせて、水の量を少しずつ調整してみると、より自分好みの熱燗が作れるようになります。
まとめ
「ちろり」「温度計」「ミルクパン」。この 3 つで、毎日のお酒が楽しくなりました。温めた日本酒を飲むとゆったりとした気分になります。温めたお酒は吸収が早いので、酔い具合がわかりやすく、飲みすぎないので翌日にも残りづらいです。みなさんも自分好みの温度を探して、楽しんでください。