年末に荷物の片付けをしていたら、20 年くらい前に私がビデオカメラで撮影したホームビデオ DVD が出てきました。当時のビデオカメラに付属していたソフトウェアを使って、ビデオカメラをパソコンに接続して DVD に記録したものです。すでに映像を撮影したビデオカメラも当時のパソコンも無く、この DVD だけが唯一の映像でした。故人の記録が残っていたりして、個人的には貴重なものでした。まだ DVD が読み取れるうちに映像を iPhone に移動して残しておきたいと考えて、あれこれ調べた記録を残します。映像の変換には HandBrake を使いました。バージョンは macOS 版の 1.9 です。
HandBrake をインストール
https://handbrake.fr/downloads.php から macOS 用のインストーラをダウンロードしてインストールします。
映像化の方針
以下のような方針で、DVD の映像を iPhone で見ることができる mp4 に変換します。元の品質を維持しつつ、容量のバランスを取る設定を目指しました。
- 出力フォーマット: MP4
- エンコーダー: H.265 (VideoToolbox)
- 解像度: 元ソースと同じにする
- フレームレート: 元ソースと同じにする
- 容量と映像の綺麗さはバランスを重視
エンコーダーはハードウェアエンコードの VideoToolbox を利用しました。VideoToolbox は Apple silicon の Mac では、多くの場合 CPU エンコーディングより高速に動作すると思います。2020 年製の M1 の MacBook Air で高速に処理できました。詳細は Apple VideoToolbox を参照。
この後、具体的な設定値を残しておきます。
各項目の設定
まず最初に Preset で Hardware > H.265 Apple VideoToolbox 1080p を選択します。この Preset で設定された値をベースに、DVD 向けに変更をします。特に記載がない場合は初期値から変更していません。設定値はたくさんあってよく分からないものも多かったのですが、公式ドキュメントに Preset を使うように 書いてあったので、基本的には Preset の値を使うようにしました。
Summary
- Align A/V Start: チェック
音ズレがなければ、Align A/V Start にチェックは不要かと思います。私は念の為チェックを入れました。
Dimensions
- Resolution Limit: None
解像度とフレームレートは DVD のものを維持するようにして、元の品質を損なわないようにしました。
Filters
- Interlace Detection: Default
- Deinterlace: Yadif
- Preset: Default
Deinterlace は最初は Off にしていましたが、出来上がった映像を見ると全体的に横に線が入っていたので設定をしました。Deinterlace は Yadif, Decomb, Bwdif の選択肢があり、それぞれ仕上がりが異なりました。私はすべて試してみて、一番違和感が少なかった Yadif に設定をしました。
Video
- Video Encoder: H.265 (VideoToolbox)
- Quality: Constant Quality CQ 50
- Preset: quality
- Additional Options:
option1=value1:option2=value2
Video Encode は、初期値では H.265 10-bit VideoToolbox が選択されているので H.265 VideoToolbox に変更します。DVDは 8-bit の SD 画質なので、10-bit を選択しても画質は向上しないと判断しました。
Constant Quality は、初期値が 80 になっています。数字を小さくすると映像がきれいになりますが、容量は大きくなります。数値を大きくすると映像が荒くなりますが、容量は小さくなります。私はいくつかの数値を試してみて、50 がバランスが良いと感じました。
Additional Options は、https://handbrake.fr/docs/en/latest/technical/video-videotoolbox.html に記載されていた文字列を指定しました。